台風19号による河川の氾濫~「洪水の特別警報」はない

2019年10月29日

台風19号は当初、「狩野川台風」に類似し記録的な大雨のおそれがあると報じられていました。狩野川台風は東京にも大雨をもたらし、今でも東京の日雨量371.9ミリ(1958.9.26 狩野川台風)は観測史上最大記録として残っています。このため、場合によっては、大雨の特別警報が発表されるともいわれていました。つまり、9月の15号のような”風台風”ではなく、”雨台風”だということが予想されていました。その予想通り、東北から関東甲信にかけて記録的な大雨になり、大きな河川が氾濫をしました。東京では多摩川、埼玉では入間川水系、福島では阿武隈川、群馬では利根川水系石田川、茨城では那珂川などが氾濫しました。大雨の特別警報は、東北の岩手県から関東甲信の13都県に発表されました。ここで、「なぜ洪水の特別警報はないのか」と疑問に思った方もいらしゃるのではないでしょうか。そうなんです。実は大雨の特別警報は、川のそばでは洪水の災害の危険性が極めて高い場合に発表されます。もちろん、斜面のそばでは土砂災害の危険性が極めて高い場合です。なんとなく、大雨の特別警報は土砂災害を想像しますが、洪水も浸水も含まれるのです。警報は、大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪、波浪、高潮の7種類ありますが、特別警報は前期の内、洪水を除く6種類です。写真は、台風19号による埼玉県春日部市の浸水の様子です。埼玉県は川の面積率が日本一高い県、平野部には利根川や荒川、入間川水系など中小河川がたくさんあり、平坦地なので川が溢れたら水が溜まりやすい地形をしています。今回は大雨の特別警報が初めて発表されましたが、このような状況下では車での避難は危険でして50センチの浸水で車内に閉じ込められます。